コミケを盛り上げた存在
1990年代におけるコミックマーケット会場問題泥沼化とは逆に、キラーコンテンツが現れたことにより急激な支持層が広がっていきました。
男性をターゲットにしたものは「美少年戦士セーラームーン」、女性をターゲットにした「聖闘士星矢」は、元々の原作のターゲットと間逆なのが興味深いですが、こうした作品の同人誌がコミックマーケットで大量に出回りました。
男性の入場者はセーラームーンのキャラクターを好み、その登場人物が描かれた二次創作を手にします。
女性入場者は「やおい」と言われるカテゴリーで少年漫画の登場人物たちの友情を、恋愛に置き換えて同性愛のカップリングを作り楽しむという、男性よりも一歩進んだテクニックを駆使して同人誌界を引っ張っていったのです。
さらには90年代後半に社会現象とまでなった「新世紀エヴァンゲリオン」の登場によってコミックマーケットはより一層入場数を増やしていきます。
このエヴァンゲリオンの監督である庵野秀明自身が同人誌を作った経験があるくらいで、セーラームーンの同人誌を集める程ファンだったというのです。
ある意味ではエヴァンゲリオンはそういう「同人誌的」な要素を多々含んでいると言えるのかもしれないですね。
そんなエヴァンゲリオンが、同人誌界で旋風路起こすのは当然といえるのかもしれません。
会場の方も、1996年からは有明・東京ビッグサイトで開催されることになり現在までこの場所で開催しています。
コミケ存続の危機
同人誌のイベントで最大を誇る即売会とも言えるコミックマーケットは、年々増加の一途を辿る参加者に対応し転々を場所を移していた会場を、1989年になると巨大なイベント施設とも言える幕張メッセに決定しました。
当時参加者25万人を超え、一大イベントとして知られるようになりましたが最大の危機が発生したのです。
1991年の開催直前に、その開催は拒絶されることになり「コミケ幕張追放事件」と呼ばれ知っている人は多いと思います。
この頃はまだ、携帯電話やインターネットといったツールも一般的ではなく、しかも中止は直前だったので、当日のイベント会場周辺の駅や建物では混乱を興し、ホテルのキャンセルが相次ぎ、散々な様子だったみたいです。
その後1991年の夏コミは、晴海で開催される運びになったのですが、この事件が契機となりコミックマーケットはひとつの転換期を向かえたと言えます。
その理由は中止の原因が公式上は「警備上の理由」と言われていましたが現実のところコミックマーケットで販売される同人誌が偶然警察の目に入ってしまい、修正されていないアダルト本が販売されている事実に対して警察の警告が、主催者・幕張メッセ側に通達されたのです。
そんなわけで同人誌の表現の問題は表面化され、さらにバブル景気の影響で数多くの商業イベントが開催されるので、大きな会場を押さえるのは困難なことから、同人誌の最大の販売イベントは存続の危機にさらされたのです。